2325人が本棚に入れています
本棚に追加
そこから調書は二枚目に突入した。
近藤刑事の部下っぽい人は、先程までの同情的視線から攻撃的視線で私を見ているし……。
耐えろ。耐えるのよ一葉。
私は愚かだったけど、その愚行を自ら告白したんだから、刑事さんの心象は悪くないはず。
学生時代に推理小説を読んでいたからか、刑事さんの心理とか考えてしまっていた。
この局面でそんな打算的な考えができる自分の冷静さに驚いた。
きっとまだ正人の死を実感できていないから。そう自分に言い訳した。
嘘の殺人予告状の話を告白してから同情ムードはなくなって、散々アリバイとかカレの交友関係とか聞かれて、解放(釈放?)されたのは昼下がりになっていた。それも身元引受人を呼び出す形で。
最初のコメントを投稿しよう!