†聖夜に捧げるこの一球†

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  「おかえりシンちゃん。勝利投手の中井選手。今日の試合の感想は?」 「ただいま。彼女の遥が球場に来てくれてたら完全試合でしたね」 試合に疲れクタクタのシンジにとって彼女のお出迎えはとても癒されるのであった。 「先に風呂入るかな」 「うん。じゃご飯の用意してるね」 風呂からあがって夕飯を食べるのは夜の11時。 いつも普通の家庭より遅い夕飯だった。 「ねぇ、シンちゃん。見て見て、このマンガ」 遥は一冊のマンガをテーブルの上に出した。 「うっわ。なつかし~。どーしたのコレ?」 遥の出したマンガは、某有名漫画家の野球漫画だった。 「今日ねたまたま古本屋で見付けたの」 「よく読んでたなぁ~」 それはシンジが高校生の時に流行ったマンガだった。 「主人公がヒロインの誕生日の日に、甲子園で勝つ!いいわよねぇ、憧れるなぁ」 「バーカ、遥の誕生日は12月24日、クリスマスイブだろ?めちゃめちゃシーズンオフじゃん」 「わかってる!ただ…このマンガのヒロインが羨ましいなぁ……って思っただけ」 「ふぅ~ん」 返事をした後、シンジは何か思いついたかニヤッと笑った。  
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