†聖夜に捧げるこの一球†

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  今年もプロ野球選手達は長い長い仕事を終えた。 シンジの北海道のチームはリーグ中4位と決して良い結果とは言えなかった。 しかしシンジは『最優秀防御率』と『最多勝』と二つのタイトルを手に入れた。 そしてシンジの計画は着々と調い始めていた。 「シンちゃん、今年のイブはどうする?」 「あ、あぁ……っと。これ」 シンジは遥に小さな封筒をわたした。 「なぁに?コレ?」 「開けてみて」 遥は封筒を開けると一枚の紙が出てきた。 「え…何これ?」 「夜に、指定された席に絶対来いよ。いいな?プレーボールは6時だからな」 そう言ってシンジは家を出ていった。 「シンちゃん……」 遥はうっとりしながら紙を見た。 『札幌ドーム。PM6:00』 ただそう書かれただけの。 小さなチケットだった。  
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