余命一年(最期)の出会い

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揃わないと相手の女の子キャンセルって言うし…」 牧野「…わかったよ」 友人「サンキュ。ぢゃあ7時に駅前の……。」 この友人は家族以外で唯一僕の病を理解しているヤツ。高校の時から何をするにしてもコイツと一緒に過ごしてきた。ちなみにコイツは野球はしていない。 日も暮れ、街は人で溢れ出す。僕は予定の時間よりも少し早く待ち合わせ場所へ来た。 「ちょっと早かったなぁ」 街のショーウインドウのマネキンを春らしく着せ替えるのを見ていたらその彼女と目が合った。 やけに焦るように仕事をする彼女。 目が合ったというか、たまたま彼女の視界に僕が入っただけ。 すると友人が待ち合わせ場所に姿を現せた。 トモヤ(友人)「悪い悪い。みんな集まってるみたいだから行こうか」 話を聞くと今日は3対3の設定らしい。 普段から女の子と一緒に酒をあまり飲みに行かない僕にとってはなんでもよかった。 10分ぐらい歩くと若者向けの居酒屋レストランに。 中に入ると若者の熱気で溢れている。 トモヤ「歓迎会とかでにぎやかだな。サークルやら会社やらだろ」 ユウキ「桜の咲くころだもんな」 桜… 店員さんに予約席を案内されると先に来ていたトモヤの友達と女の子がふたり。 男「おつかれ。彼がユウキ君?」 トモヤ「そうだよ。ユウキ、挨拶してやって」
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