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誰もいなくなった公園で男は続けた。
「本当は皆わかってんだ。だがそれを受け止めようともしねぇ。考えることから逃げてんだ。」
男の発言は的を得ていた。
現に、誰ひとり政治を動かそうとは思わない。
だからこそ今現れた如月に期待ばかりを上乗せしている。
言ってみれば、人任せなのだ。
カツカツ
男に足音が近づく。
それに気付き顔を上げた男の顔はみるみる青ざめていった。
男の目に映ったもの。
それは、恐怖感を煽るように白く白く塗りたくった顔。
血よりも深く黒みをもつ赤で彩られた目元と口元。
気味の悪い深さを持つ青で両目に描かれた星と雫。
その姿は
―ピエロ―
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