私と哲夫

3/5
前へ
/81ページ
次へ
夏海は、ジュースを飲み終わると、空いた缶を私に渡し、そして衛の横に座り、テレビを見を始めた 哲夫も空いた、発泡酒の缶を私に渡し、二人の子供の傍に行き、座った 「これが、私の掴んだ家庭だ 私が、そう望んだ幸せ」 だった 「多分、あの人だったら・・・ どう、だったろ?」 と思えるのは、今、幸せにこうして過ごしているからだろう そう、私にとって哲夫は、一番目でもなければ、二番目でもなかった いきなり、私の心を奪ったダークホースだった そう、哲夫との出会いは、偶然の事だった 哲夫と出会ったのは、会社の慰安旅行で、北海道に行った時だった 無事に慰安旅行を終え、私は、その当時付き合ってた、英樹と羽田のロビーで待ち合わせをし、そして英樹のマンションに向かい、寛いでいた そして、私は英樹に抱かれる為にシャワーを浴びた 私は、シャワーを浴び終わり、バスタオルを巻いて、英樹の横に座り、彼とキスをした 長く深いキス キスを終えると、私はお土産の入っている、バックを私は開けた 私は唖然とした 中はお土産と言うより、洗濯物だった しかも、男性用下着ばかりだった 「羽田で、誰かが私の荷物と取り違えたんだわ どうしよ‼」 と私は頭の中が、真っ白くなり、私は英樹の顔を見た 「あれっ? 亜希子っ‼荷札はっ‼」 と英樹は私に、苦笑いしながら言った 「そんなの、とっくに捨てたわよっ‼」 と私は、興奮気味に彼に言った 「持ち主を特定、出来るような物が入っていると良いんだけど」 と英樹は困った表情を浮かべながら、その荷物の中身を全部出した "それがいけなかった" 私と英樹は中身を丁寧に調べたが、持ち主を特定するものは何一つ、入っていなかった そして英樹は、そのバックのポケットに手を入れると、鍵が一つ、入っていた 「亜希子っ‼ 鍵が入っていたよ」 と英樹は下を向きながら、私に鍵を渡した 私はその鍵のキーホルダーを見て 「わっ‼私、知らないよっ‼ こんな、鍵っ‼? ひっ‼英樹っ‼ 信じてよっ‼ 本当に、私、英樹しかいないよ」 と私は慌て、英樹に弁解するように言った 「信じたいよ、信じたいけど・・・ 亜希子のその慌振りを、見ると、わからなくなる 今日は、帰って 取り敢えず、帰ってね 亜希子っ‼」 と英樹は言うと、違う部屋に秀樹は消えて行った 私は、泣きながら着替えるとその荷物を持って、秀樹のマンションを出た
/81ページ

最初のコメントを投稿しよう!

331人が本棚に入れています
本棚に追加