雪、轟音、路地裏にて。

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 ―――冷たい、何かが、顔に、当たる。    薄ぼんやりとした視界が、飛び込んできた。俺は何をしているんだろう。  そう思って起こしかけた上体に激痛が走る。 「ぐぅっ!」  思わず傷口に手をやって、思い出す。俺は―――撃たれたんだ。 「ちっ」  舌打ちしてから、状況を確認する。ここは路地裏、辺りに人影は無い。握ったM945は残弾一発、傷口は腹に三発。  典型的な、最悪の状況だ。見れば、降り積もった雪が鮮血で染められている。血を、流しすぎてしまったようだ。 「くそ・・・」
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