霧立ちのぼる路地の夕暮れ

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 ―――過去との決別を。   「見つけたぞ」  霧がたちこめる路地裏の突き当たりに、“ソレ”は居た。生きているかも怪しい、醜悪な肉の塊。うごめきだけが生きている証。  それと対峙するは、リボルバー〈レイジングブル・マルチ〉を構えた黒いコートに眼鏡の男。 「ここで、終わらせる」 「ギゲゲェェェ!」  男の言葉に、肉塊が奇怪な声を上げ、動き出した。    数発の銃声が響きわたった。
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