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明朝六時。白姫の朝は早い。
『ジリリリ、朝になりました、朝になりました』
「……………すぅ……」
自分の声を録音した目覚まし。
この目覚ましがなると同時に目覚め……「……むにゅ……にゃはは……もう糸だせないよー……」
『ジリリリ、朝になりました、朝になりました』
目覚め……ない時もある。
「…………糸~……」
糸ってなに?
糸ってなに??
『ジリリリ、朝になったのに起きないと大変ですよ~?』
二つ目の目覚ましが起動。
本当はこれで起きる。
否、起きざるおえない!
「…………くぅ……」
『ジリリリ、ジリリリ、ジリリ……ピコン』
寝返りをうつ白姫。
そして目覚ましは、いきなり〝転がりだした〟
そう。
この目覚ましは球状、そして次元式で白姫の寝ている枕の上に転がり落ちる仕組みになっている。
「………んにゅ……」
『ごろりん、ごろりん』
わざわざ効果音を立てながら転がる目覚まし。
そして哀れ、白姫は再び寝返りを打ち、仰向けに……。
「……すぅ……」
『ごろりん、ごろりん』
「……い~と~…………まきまき……」
『ごろりん、ごろ……』
──ゴン
……。
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