2章、クリスマスイブ🎄

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 乃愛瑠はベンチから立ち上がり、ツリーのてっぺんの星を見て、 「亮のばかやろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」 「な・ん・でっ。。。生きてるうちに。。。」  道行く人が振り返る程大きな声で叫んだ。  乃愛瑠はペタンと通りにしゃがみこみ、ボトボトと涙を落としながら、ツリーを見上げた。 「貴方の温もりをもう一度感じてみたかった。。。」  夜空の上の方から、チラチラと白い雪が舞い落ちて。。。  一瞬、冬の風には似つかない風が乃愛瑠を包み込んだ。  さも、寒さから乃愛瑠を守るように。。。  その温もりは。。。あの日の温もりだった。
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