6/6
前へ
/16ページ
次へ
どこかへ飛び立ってしまった白い烏と 残された黒い烏 黒い烏は気づいたのだ 孤独に慣れてしまった白い烏は 自ら孤独を選んでしまうことを 期待するのを恐れ、無意識に拒まれた黒い烏 最後に見た、悲しい飛び立つ姿は いつまでも瞼に焼きつき、眼を閉じれば闇に鮮やかに浮かぶ白 忘れられないあの一夜、一目見たあの姿 黒い烏は、彼の烏の幸せを思い、今日もまた深い闇へと沈んでゆく
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加