White★Xmas

4/4
前へ
/33ページ
次へ
その声に驚き振り返ってみると、こちらを見つめる拓真の目があった。 「拓、真……」 『ありがとう。幸せになるから――。必ずみんなを幸せにするから――。だから時々、空から僕を見ていて。僕の笑顔を――』 感無量とはこういうことを言うのだろうか。 余りの驚きと嬉しさで胸がいっぱいになり、俺は言葉を発することが出来ないでいた。 代わりに右手の親指を立て、拓真に負けない位の笑顔を見せた。 さよなら、拓真。 俺は拓真の笑顔をしっかりとその目に焼き付けて、背を向け歩き出した。 初めてのサンタクロース。 ただ一人のためのサンタクロース。 俺は今日という日を、拓真という少年を忘れることはないだろう。 この真っ白な雪のように澄んだキレイな心を持つ人間を――  
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加