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小さいながらに欲張りな俺の所にはサンタクロースも来てくれないだろうと思っていたのだが、あの爺さんは来てくれたんだ。
俺はサンタクロースをこの目で見るまで起きていようと頑張っていたのだが、なにせガキだった俺はベッドに潜り込むと3分とかからず寝息をたてていた。
すると窓がガラガラと開く音がして、俺は目を覚ました。
「おやおや、起こしてしまったようだね?こりゃサンタクロース失格だな!あはははは~」
爺さんを見た俺の第一印象。
絵本と違う。
絵本のサンタクロースはずんぐりむっくりな体に真っ赤な服に真っ赤な帽子を被った、真っ白で長い髪と髭を生やした爺さんだった。
だけど俺の前にいる爺さんは、ずんぐりむっくりな体型に真っ白で長い髪と髭は生やしているものの、その長い髪は後ろで束ねられ、真っ白なTシャツに青いジーンズを履いた、地上のどこにでもいる爺さんだった。
「あんた誰?」
俺は素で爺さんに聞いていた。
すると爺さんは長い髭を撫でながらこう言った。
「わしか?泥棒に見えるか?わしはサンタクロースじゃよ」
と――
「神様!!」
「へ?」
目を開けると、大広間にいる天使達みんなが俺を見ていた。
「へ?じゃありませんよ!!近況報告は終わりました。神様は聞いてはくれてなかったようですがね」
ミカエルはおもいっきり皮肉を込めて俺を見上げた。
「今日は12月19日。イヴまで後5日しかありません。なので、次のサンタクロースを捜すというのは難しいかと思います。みな忙しいので」
「だったらどうするんだ?今年はプレゼントを配らないつもりか?」
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