10人が本棚に入れています
本棚に追加
地上と一言に言っても、日本・アメリカ・イギリス・中国など、多くの国からなっている。
一体俺達は地上のどこにいるんだろうか?
自分がいる場所の辺りを見渡してみれば『吉々家』という、牛の絵が描かれた建物があったり、サンタの爺さんにそっくりな杖を持った置物がある。
「ガブリエル。ここは何処なんだ?」
見当もつかない俺はガブリエルを頼った。
「ここは日本という国でございます」
日本?
俺はガブリエルの言葉に首を傾げた。
「爺さんがいた国はグリーンランドっていう寒い国じゃなかったのか?」
「はい、その通りでございます。しかし数年前から日本を拠点に活動するようになったのです……が、書類に目を通されたのでは?」
ガブリエルの目は不信の色が濃ゆくなった。
このままでは俺がサボってミカエルが印鑑押しをしていたことがばれてしまう!
「そう言えばそうだったな!何分目を通さなければいけない書類が多くて、全てを覚えておくなんて芸当はなかなか出来ないよ。あはははは~」
「それもそうですね」
とりあえずは助かった。
だけどガブリエルは尊敬の眼差しで俺を見つめたため、俺の心はチクリと痛んだ。
天界に戻ったら真面目に仕事をしようかな?なんて珍しくも反省した俺だった。
最初のコメントを投稿しよう!