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ガブリエルと俺は、子供達に贈るべくプレゼントを準備する場所へと向かった。
と言っても何も知らない俺がガブリエルに着いて歩いているのだが、どうも人間達の視線が気になる。
もちろんガブリエルは羽根を直し、天使の輪っかも隠している。
身なりもガブリエルが用意してくれた地上の物を身に纏っている。
上辺だけを見れば、人間達と変わった所は無いはずだ。
「ガブリエル。どうして俺達は見られているんだ?神と天使ということがばれているのか?」
どうしてもわからない俺はガブリエルに助けを求めた。
「それは人間達が神様の出で立ちに魅了されているからですよ」
俺の出で立ち?
俺はショーウインドーに映る自分の姿を見た。
俺はいたってシンプルに、ブラウン系のジーンズに淡いピンク色のタートル、そして真っ白なダウンジャケットを羽織っている。
多分服装は普通。
では問題があるとすれば俺の容姿か?
180cmを超える長身に透き通るように白い肌、ぱっちりと開かれた碧い瞳、薄く小さな紅い唇。
きわめつけは真っ白でさらさらな髪。
確かに日本の人間とは違うな。
しかし――
それをいうならガブリエルも同じだ。
170cmはある長身にふっくらとした白い肌、切れ長な瞳はグレー、腰まである細く長い髪は緩やかなウェーブがかっている。
どう見たって日本の人間じゃないな。
「人間達はキレイな物が好きですからね。まあ、天界の民も同じですけど」
「そうだな」
ガブリエルが発した天界という言葉に、俺は空を見上げた。
ミカエルは元気でいるだろうか?
ついさっき別れたばかりの友の顔が浮かぶ。
そんな俺の顔に空から冷たい物が降りかかった。
雪――
「あら?雪が降ってきた。きっと天界も降っているのでしょうね」
「そうだろうな」
俺は微かに笑みを浮かべると、力強く足を前へと歩ませた。
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