告白

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「今日は早いんですね」   男性にしては少し高い声の持ち主は眼鏡をかけた担任の柏木先生だ。 俺は目線を送りつつも無視して荷物を突っ込む。 先生は気分を害した様子もなく俺の作業を見て言った。   「自分のの物ではないのに片付けてあげるとは、偉いですね」   その口調は返事を求めているようだったので答えてやる。   「えぇ、偉すぎて涙がでそうですよ」   明らかに喧嘩を売っているようだ。 教師が嫌いな俺はどんな先生に対してもこの態度だ。 それは柏木先生も知ってるので特に文句は言わない。だが、それはそれでまずいんじゃないのか?教師のくせに。 しかし先生は何も言わずに教卓の上の日誌を手にする。 毎日当番が帰り際に置いておくのを朝回収してHRで次の人に渡す。どこにでもある習慣だ。   「あ、今日は君の番ですよ」   さらりと言われたがいちいち帰り遅くまで残って日誌を書くのは面倒なのだ。 俺は不機嫌丸出しの声音で言ってやる。   「了解」   それを聞いた先生はでは、と廊下へ向かった。   「HRで渡しますね」   それだけ言い残し去っていった。 …何のために教室に来たんだ、あの人は。 疑問が浮かぶが、直ぐに忘れる。先生がなにを考えていようと、関係ない。 そう思うと同時に荷物が詰め終わる。 親友の鞄はこれ以上ないほど膨らんでいた。 だが、崩れなければいいので気にせず自分の机に突っ伏す。机の冷たさを感じながら、ゆっくりと微睡み始めた。
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