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『母さん……俺、大切な人が出来ました。母さんみたいに気丈で、温かくて、なのに、子どもみたいに素直で、可愛らしい人です』
きみの前でなら、俺も素直になれるんだ。
ことばは足りない俺だけど。
年下すぎて頼り無いかもしれないけど。
それでも、そんなもの凌駕(リョウガ)するほどに、限り無い愛しさが溢れてくるんだ。
……伝えたい。
この気持ちを教えてくれた、他でもないきみに。
菜乃花に。
『伝えたいんだ……見守っててね……母さん』
俺はもう一度そっと手を合わせると、霊園を後にした。
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