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『おかえり~』
『……』
玄関ホールでみつけた六輝。相も変わらず、今日も黙りで目線逸らされる。
もう五ヶ月も一緒にいれば、いい加減なれるってもんだ。
私は苦笑いで一つ溜め息を吐くと手にした箒を放り、去ろうとする六輝の背中にタックルをかましてやる。
『むっつき~!!』
『んなぁぁぁあっっ!!!!!?』
『ん~?どうしたぁ?お顔が赤いでちゅよ~?』
『だっ……黙れ……降りろ……っ』
『ただいまって言ったら降りたげる~』
にまりと笑うと、更に力を加えて抱きしめてやる。
出逢ったときこそ憎たらしかったこの態度。
だけど。
そう、気付いちゃったんだもん
『誰が……言うもんか』
六輝は、
本当は寂しがりで
とっても言葉表現の苦手なこ。
『て れ る な 』
だってほら。
『~~……っ』
困った顔は、可愛らしい。
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