聖夜の奇跡

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*** 『六輝……待って……っ』 『……ん』 『……え』 『持ってやるから』 『……ありがとう』  おじさんに頼まれて、六輝と買い出しにきた私。  最初は半分づつ分けてたんだけど、これが重くって。  数歩遅れる私に呆れたのか、六輝は私の手から更に半分荷物を取ると、また背中を向けて歩き出した。  ふいに軽くなった手の中。 『……』  不器用な六輝の精一杯の勇気に微笑むと、私は六輝を追い掛け、並んで歩き出した。 『六輝』 『何?』 『背、伸びた?』 『多分……?』 『へぇ……』 『……何』 『いや。かっこよくなったかなぁ、なんて』 『……っは!?』  私の何気ない一言に真っ赤になる六輝。  こころの真ん中がほんのり温かくなる。  何故かな?  六輝の表情が変わるのをみているのが幸せなんだ。  ねぇ。  【好き】って言ったら、きみの表情はどう変わるのかな?  みてみたいきもするけど、やっぱりこのままがいいようなきもする。
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