聖夜の奇跡

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『どうした?』  首を傾げる友人の隣で、私はもう一度目を凝らして今見ていた辺りを見つめ直す。 『いや、今知り合いがいたような気がしたんだけど……あ』  見つけた横顔は、確かに六輝だった。 『……』  ガタンッ!  いてもたってもいられず、私は立ち上がると駆け出す。  友人の静止も気にせずに。  見つけた横顔は、確かに六輝だった。  ただ、その瞳には、涙が溢れていた。  だから。  早く側に言ってあげたくて。  なんとかしてあげたくて……。  周りが見えてなかったんだと思う。    ごめんね、六輝……。      
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