全ての終わりと全ての始まり

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  入ってきた青年は日に焼けて健康的な肌の色をしていたが、彼の表情は硬かった。 「おや、ルカじゃないか、珍しいな。そちらにお座り」 アレッシオ氏は、自分の息子に椅子に座るよう促した。 ルカと呼ばれたその青年は、ビロード張りの重厚な椅子にゆっくりと腰掛ける。 「ルカ、何か私に聞きたいことでもあるのだろう?話してごらん」 アレッシオ氏は慈悲深い表情をして、ルカの灰色の目をじっくりと探るように見つめる。  
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