Gのクリスマス

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  大学と言う所は友人関係さえ築いておけば、ある程度講義は出なくてもなんとかなるシステムではある。   それにしても、だ。   30分遅れでノソノソと教室の裏口を覗き込み、飛び込んできた光景に我が目を疑った。   2、4、6……8人?   普段なら30人は下らない人数がジャージ教授の経済談義を、ある者は真剣に、大半は夢遊病患者のように惚けながらも受講しているはずだ。さすがに少なすぎやしないか。   「なんか、入りづらいな……反抗期かな?」   「違いますよ、先輩」   驚いて振り向くと、後輩の高橋が生気のない表情でこちらを見つめている。   「どういうことだ? 高橋。30字以内で説明してみろ」   俺の問いに高橋はわなわなと拳を握り締め、声を張り上げた。   「クリスマスですよ! クリスマス! 奴ら、単位そっちのけで正常位だの騎乗位だのにかまけてやがるんです!」   な、なんだってー!   い、いや動揺してはいかん。ここは先輩として、クリスマス? なにそれ食えんの? ぐらいの余裕を見せなければ。   「44字だ、やり直せ」   「今日学校にきてる奴らは、負け組って事です!」   「なるほど……だが高橋、俺はちっとも悔しくなんかない。もっと未来を見ろ、今日この聖なる夜に講義を受けることで俺たちはアベックが知る由もない知識や教養を」   「合コン行きません?」   「行っきまーす!」   というわけで合コンに行く事になった。
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