啼かせたい

6/8
前へ
/169ページ
次へ
もう一人の私が 首を擡げる 彼は私を絡めとるように 掻き抱いた 長い髪をまとめ… 強く引き寄せた 私を下に組み敷き 男の目をして 私を見つめた ごくりと喉がなる音 切羽詰まって行く呼吸 激しくなる鼓動 彼は私を強く抱き締めた 息も吐けなくなるくらいに そして 首筋に鼻をよせ 『貴女は    甘い香りがする』 私は眩暈を覚えた 私は 溺れた… 鎖が重ければ 重い程に…
/169ページ

最初のコメントを投稿しよう!

920人が本棚に入れています
本棚に追加