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優は一時期悩んでいた。弟達にクリスマスは期待するな…と、忠告すべきかを。
「もうすぐクリスマスだね。」
「サンタさんにお手紙書く。」
優の頭の中に、大人達が言う『TVの悪影響』という言葉が浮かんだ。
優も小さい頃はおもちゃ屋さんが好きだった。
しかし、小学生になる頃にはおもちゃ屋さんを避けるようになった。
弟達と出掛ける時も、おもちゃ屋さんが近付いて来ると、弟達の気を別の事にそらそうとした。
かけっこをする。
強引に抱っこして走る。
近道しようと道をそれる。
しかし弟達はおもちゃ屋さんへ引き寄せられて行く…。
大人になった今思えば、見せるだけでも見せてあげれば良かったのかもしれない。
しかし…〝絶対に〟買って貰えないのだ。
その情けない気持ちを弟達に味あわせたくはなかった…。
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