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マスターが帰らなくなって一ヶ月が経ってしまった。
明らかにおかしい。
マスターに何かあったに違いない。
しかし、私にはそれを知ることはできない。
パソコンの外になんて、出られるはずないのだから。
私は自分の存在が憎いと思った。
何故私はVOCALOIDなのか。
人間であれば、マスターを待たずとも走って会いにいけるのに。
たとえ、VOCALOIDでなければマスターと出会えなかったとしても、私は人間に生まれたかった。
こんな苦しく切ない思いをして、マスターを待ち続けるなんて嫌だ。
…人間になりたい…!!
そう願った瞬間、私の体が光に包まれ、意識が途切れた。
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