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「カーター…、カーターはいますか!?」
相も変わらずうっとりと水晶玉の中にある海を眺めながらサザワードは忠臣の名を呼ぶ。
「ここにいるっちゃ!サザワード様、いくら綺麗とはいえちょっと夢中になりすぎだバイ!!。」
独特のイントネーションで元気一杯に話すこの男こそサザワードが最も信用をおいている臣下、
カーター・バインドである。
カーターは生まれながら才に恵まれていた。
魔力量が高く博識…そして何より恵まれていたのは遥か昔より王を導く役目である"見守る者"の家系に生まれ、幼い頃よりその才能を最大限に活かせる環境にいた事だろう。
人格に問題のあるサザワードが王でありながら今日まで国が成り立っているのは"見守る者"としてのカーターの支えと彼の様々な知識があったからといっても過言ではない。
水晶に写る世界の知識をサザワードに与えたのも彼である。
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