opening

1/9
9人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ

opening

目の前には海が広がっている。…静寂の中で静かに奏でられるさざ波のメロディー…。そして一面に広がるスカイブルーの世界は遥か彼方に広がる青空とも相まってより一層際立っている。 だが、いつもは一面蒼い海もこの日の天気に恵まれて水面に陽の光が反射し、無限の色彩を放っていた。 そんな海を一人の老婆が食い入るように見ていた。 50~60歳くらいであろうか?。白髪でメガネをかけたその顔にはしわが刻まれ、その老婆の年齢を物語っている。 その手に大きな木で作られた古びた杖を握り、体には全身黒づくめの長いローブを羽織っている。 まるでその様は子供の読む物語に出てくる「魔女」のようだった。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!