決裂と和解

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ヘドロでてくるんだよね。 真面目に。 緑がかった黒い物体。 マウスピースと言って口と楽器を繋ぐものがあるんだけど、その中でさえも。 やっぱマウスピース毎日洗わないと駄目だよ…   金管奏者がワーワー言ってる間チューバは待機。 だってチューバは床に置いても腰ぐらいの高さあるから、他のパートが使えなくなっちゃう。 その間に高下先生がベルの歪みを直してくれてた。   名前の通り金管楽器は金属でできてるからぶつけたら凹むし歪んだりする。 ベルのことを朝顔とも言うんだけどなんとなくわかるはず。 普通は三角錐なの。 歪んでたらね、床に置いた時にぐらぐら揺れるんだ。 同じの三角錐の楽器の材質より固そうな金属に押し当てるようにして形を整えてくれた。 その技術もすごいしそれができる先生はもっとすごい。 でもうちは自分の楽器そっちのけで他のものを見ていた。   仲間の後輩の顔。 すごいんだから。 金管はぶっちゃけ単純だから、大切に使えば頻繁にリペアに出さなくても良かったりする。 でも木管は消耗品が多いし難しい。   楽器割れちゃうんだ。 蓋塞がらなくなるんだ。 管抜け落ちちゃうんだ。 これじゃわからないと思うから簡単に説明。
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