3.雪白の月

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僕たちが一緒に住み始めて毎日一緒にいたあの頃、僕は君との愛を少し窮屈に思っていた。 本当は一緒にいたいのに、身体や心のどこか隅で感じていた。 そうしていつも震えていた…。 オトコなんて、情けないよね。 君を傷つけてばっかり…。 それに僕たちの恋が終わっても、僕は君の脱け殻に寄り添っていないと生きていけないんだ…。 いつまでも忘れられない………。 空の中に滲んでいく雪白の月を見ていると、強い北風が吹いてきた。 すると、ふと脳裏にあの日のことが蘇る。 僕らが別れる3日前から気持ちのすれ違いは生まれていた。 そして1日前。耐えきれなくなった傷口は一気に爆発した。 予想もしてなかった…。 こんな結末………。 でも、君といた日々は絶対に忘れやしない。 だって、まだ昨日のことのように思えるんだから…。 確かにこんなことを考えるなんて、誰かにとっては下らないことかもしれない。 でも、僕にとってはとても大切な二人の思い出なんだから…。 絶対にゆずることのできない脱け殻………。
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