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しばらく、葉の音さえもやんでいました。
くまくんがそっとうさぎさんを見ると、彼女は顔を赤く染め、そっぽを向いてしまいました。
「…あの、送ろうか?」
くまくんがおずおずと聞きました。
うさぎさんは小さく頷いて、ゆっくり立ち上がります。
「こっちだよ」
くまくんはゆっくり歩きます。ときどき振り返って、うさぎさんがついてきているか伺いました。
「…ありがとう」
うさぎさんの呟きは、くまさんに届いたのでしょうか。
ただこの時、振り返らなかったくまさんは、ひとりほほえんだのでした。
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