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友達とケンカした夜
“そいつ”は現れた
世界を変える力を僕に与えると言った
世界は…軽かった
小さな飴玉
『噛まずに飲み込むんだ』
迷いはなかった
カサリと開けばオレンジ色した小指の先くらいの丸い飴玉が姿を現した
摘まんで
手のひらに乗せる
────ゴクン
急激に視界が歪みだした
「うわああぁぁぁあぁああぁぁぁあぁっ」
耳鳴りがする
身体が焼ける様に熱い
(騙された騙された騙された騙された騙された騙された騙された騙された苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい)
世界が────変わった
全てがわかる
世の声がする
軋みが聞こえる
歪みが見える
僕にできることはない
世界を変えるなんて出来るはずがない
人は皆幸せなのだ
幸せで不幸
不幸で幸せ
不幸があるから幸せ
幸せがあるから不幸
変える必要なんて
ない
支えがなければすぐ滅びる世界を支えるのが僕の役割
それが
『神』
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