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「おーきたくーん!!」
一時間目の前にある休み時間。
翔汰のクラスに響く大声があった。
彼の名前を呼ぶのは、隣のクラスの井上慶哉(いのうえ けいや)。
楽しい事が一番の、お調子者で目立ちたがり屋と、陽気な少年だ。
慶哉は翔汰とリトルで知り合い、過去に一緒のチームで野球をやった事もある。
高校生になり、再び野球というスポーツで再開し、最初は抱き合ったものだ。
そして一つ上の兄、凛紀(りんき)は同じ野球部に所属している。
兄は正反対の性格で、成績優秀、容姿端麗の人物であり、翔汰の憧れでもあった。
慶哉のポジションはセカンド。
小柄な体で身軽にボールをさばき、ショートの翔汰と二遊間を組んでいる。
そして打席ではバントが上手く、技巧選手の二番打者であった。
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