転校生

5/15
前へ
/342ページ
次へ
「あ、慶哉よっーす!」 窓際で話ている翔汰たちの元へ気付いた泉がやって来た。 「泉ーおっす!」 手を上げて返す二人。 入学してそろそろ一ヶ月だが、息が合い二人は仲が良い。 「津田、見に来たんか?」 「そうそう。翔汰の話聞くよりも大分イメージ違う。図々しそうに見えないけどなぁー」 慶哉はそう言って、達也の方向をずっと見ている。 「あー分かる。俺も正直びびった」 翔汰は昨日の少年の態度を思い出して首をかしげる。 彼は『カッコイイ転校生』の雰囲気を出し、席に集まってくる同級生たちと話していた。 その対応の仕方の手慣れた様子に昨日見た面影はない。 翔汰は昨日の出来事が真実なのか幾分不安になった。
/342ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1381人が本棚に入れています
本棚に追加