転校生

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「津田、安藤!」 「はい」 俊二に呼ばれて二人は小走りで集まった。 「あと、今居るメンバーも集合な」 そう呼ばれて翔汰たちも続いて集まっていく。 「皆も知っとると思うけど、こちらにいるのが今日転校してきた津田達也くん」 軽く会釈した達也。 「じゃ、本人の希望でこれから津田に投げてもらう。凛紀も自分よりふさわしかったら、本来のポジションに戻るって」 そう俊二が言うと練習着に着替えた凛紀が頷いた。 「……凛紀さんが?」 チームにざわめきが聞こえだし、達也を見る目は疑いの表情を浮かべる。 しかし彼は、真剣な表情で真っ直ぐチームメイトを見据えてこう言った。 「サードが俺のポジションやから。それに、ピッチャーは俺には似合わない」 その真剣さは翔汰にもしっかり伝わった。 その一言に部員たちのざわめきも収まり、達也の球を見たいと期待の瞳が集まる。
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