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『翔汰は推薦だろ?』
つい数ヵ月前、彼は受験生だった。
翔汰は中学時代はもちろん野球部である。
周りから疑われる事もない活躍をしていたので、当然誰もが推薦を受けると思っていた。
『いや、俺は西受けるよ』
彼は県立で甲子園常連校に惹かれていた。
そして、もう一つ。
『憧れとる人がいるんよ』
翔汰の憧れの人物がいたからだった。
『凛紀さんが西に通っとる。あの人がいれば大丈夫』
一つ上の翔汰の先輩の少年が既に西高に入学していた。
小学生の時リトルでプレーし、現在も親交がある人。
凛紀という少年の野球センスに翔汰は強い憧れを抱いていた。
こうして翔汰は西高を受験し、晴れて合格。
迷わず彼は野球部に入部した。
そして今、自分の選択ミスに対して溜息が出てしまっている。
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