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「――本当になっさけないなぁ」
校門を出て、前方に見える仲間を追いかけている所だった。
いきなり翔汰の背後から少年の声がする。
「……?」
振り返った翔汰は訝しげにその顔を見つめた。
陽炎の向こうから、一人の影が近づいてくる。
どこか見たことあるような、そんな不思議な雰囲気があった。
「ふぅん。おいおいコールド負けかよ。ここまで弱いとは、ね?」
謎の少年はジャージのポケットに手を突っ込んで、グランドを見た。
スコアボードの文字を見ているようだ。
ポケットにはボールの形だろうか、膨らんでいる。
「何か用ですか?」
むっとしたが、翔汰は冷静に少年に尋ねた。
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