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『―――――元親ぁっ!!』
ハッと我に返り、輪刀を投げ捨てて崩れ落ちた元親に駆け寄る。彼の胸元から脇腹にかけてザックリと抉られており、血が辺り一面に海を作り出していた。
『元親……我は………我はこんなっ………!!』
「気に、すんなよ元就……これぁ………俺自身の、たっての希望…だったんだ…………」
ゴボッと血泡を吹いているにも関わらず、その顔は満足気に微笑んでいた。
「ただ……野郎共に罪はねぇ……だから、後はお前の…とこで、面倒、見て、くれたらありがてぇ……ついでに…四国も、お前が治めて、くれりゃあ………」
『その様な事……どうでも良い……』
「どうでもって……お前、仮にも国守…だろう、が……」
『煩い、黙れ、聞きとうない』
そう言い放ち、有無を言わさず元親の唇に己のそれを重ねる。動作の荒々しさとは裏腹に、その口付けは優しく儚いものであった。
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