219人が本棚に入れています
本棚に追加
冗談で済めばいいと思っていた
いつものように笑い飛ばしてほしかった
それが叶わぬと知っていながら…
だから、我は
我は…………―――――――
【恋人を射ち堕とした日】
「なぁ、元就。今度の戦で俺を殺してくれねぇか?」
『…何故、その様な事を申す』
「俺の命がそう長くねぇってこたぁ分かりきってる事だろ?どうせ死ぬなら愛しいお前の手で死にてぇんだ」
『……知らん。死にたければ勝手に死ね。我を手間取らせるな』
ヒデェ言い様だな、と元親は軽く笑い飛ばす。
こんな事、褥の中で話す様な事ではないだろう。……否、此処でなくとも普通はしない―――普通なら。
.
最初のコメントを投稿しよう!