恋人を射ち堕とした日

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          ザシュッ……………!!                     “――――っ!?元親っ………!!”       元就と光秀の間に割り込む形で、元親が双鎌を防いでいたのだ―――――己の左腕と右脇腹に突き刺す事で。         “元就はっ……………… 誰にもやらせねぇぇぇえっ!!!”     鬼の如き咆哮が周囲の空気を震わせる。そして身を呈して強靭を封じている間に、余った右腕で碇槍を薙いで光秀の首を引き千切った。       彼の首が舞う…………しかしその表情は一際満ち足りたもので………―――――                 ……世を徒らに引っ掻き回した狂人・明智光秀は、瀬戸内の海へと散ったのだった………――――         その後、天下の後継者争いに諸将が勢い込むが、肝心の瀬戸内同盟はそれに関心を示そうとはしなかった。   かと言って毛利・長曾我部の両軍に真っ向から挑む程命知らずな軍もおらず、日ノ本全土は暫しの膠着状態に陥った。         ―――こうして今回の、全国を巻き込んだ事件は終着を迎えた。           ―――――に見えた。が。         .
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