恋人を射ち堕とした日

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        船頭に立ち、元就は瀬戸内海にそびえる厳島を眺めていた。   宣戦布告を仕掛けてきたにも関わらず、そこに手下の姿はおろか人影すら見当たらない。         ――――形ばかりの戦……………   我に参れと申すか、元親…………       ギリッと歯噛み、輪刀を構えて船頭から跳躍し躍り出る。そして部下の制止も聞かずに単身、島を走り抜けた。             “なぁ、元就。今度の戦で俺を殺してくれねぇか?”         ―――――これがそなたの望んだ結果なのか?………解せぬ………解せぬっ!!       .
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