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人の気配を感じ取り、自然と足を速める。そこに待ち構えていたのは…………
「……よぉ。待ちかねたぜ元就………」
『元、親………』
元親であった。
顔はだいぶやつれて青白くなっているものの、その右目には薄暗い炎が揺らめいている。
『策も弄せぬくせに小細工を働かせおって………どういうつもりだ』
「どうしたもこうしたもねぇよ……俺にはこうするより他が見当たらなかった。だからこうしたまでさ…………」
碇槍を緩慢な動作で振り回し、彼の全力を絞り切る様に声を荒げる。
「俺を討ち取ってみろよ!!
毛利元就ぃぃぃぃぃぃぃいっ!!」
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