恋人を射ち堕とした日

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          冗談で済めばいいと思っていた     いつものように笑い飛ばしてほしかった     それが叶わぬと知っていながら…               ………そうだ   自分は気付いていたのだ         この温もりを感じていられるのも     自分に笑いかけてくれるのも     「愛している」と言って抱き締めてくれるのも         もう、ない、と…………               なのに、願ってしまったのだ       彼が自分をからかっているだけだと       これは何かの茶番であると       また二人だけの幸せな日が訪れると…………                     ……………だから、我は                 我は…………―――――っ!!                                 『っ……ぅぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああっ…!!!!』                             ―――――彼を、             斬り裂いた―――――――                         銀。紅。紅。紅。紅。銀。紅。             紅。散。紅。悲。紅。紅。             紅。笑。紅。何故。紅。紅。               紅。崩。紅。白。紅。白。白。           白、白、白―――――――           .
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