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「保健室行ったって聞いたから、びっくりしちゃったよ…走って来て正解だったなッ」
そう言いながら翔を見て笑う達也は物凄くかっこよくて、つい顔が赤くなる。
「そんなに僕が保健室に行くことが心配?」
「心配もなにも…保健室に行くなんて、中山にセクハラされたい奴だけだよ、普通は。
それくらい中山の噂は凄いんだ、翔知らなかっただろ?」
「…うん、知らないよ。そんなこと。」
「翔の体の調子が気になったから教室行ったんだけど、保健室行ったって聞いたからさぁ……心臓止まるかと思った。」
そう言った達也は汗を掻いていて、それだけ大切にしてくれていると思うと、なんだか嬉しい。
「ありがと……」
「ん?何?」
「ありがと」
そう言いながら微笑むと、達也は動きを止める。
そして、しばらく固まったまま動かないかと思えば、いきなり翔を近くに開かれてあった印刷室のような小さな部屋に押し込み、達也も中に入る。
「…え?なに?」
自分の置かれた状況が理解できず、きょとんとしているとガチャッと言う音がして、鍵を閉められた。
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