042 そして

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「僕はね、 確かに沢山傷ついた。 綾上君や、何より七瀬先輩の行動は、僕にとっては達也との関係を沢山傷つける、最悪のものだった。 死ぬかもしれなかったとか考えると、 やっぱり、恐ろしくて堪らなくなる。 ……けどね、 不思議となぜか、 そのことで、綾上君を責めたり、嫌がったり、恐れようだなんて思ったりはしないんだ。 知り合って、そんなに経つわけじゃ、ないけどさ。 僕にとって綾上君は、数少ない普通に話せる友達。 よくわかんないけど、 友達ってのは喧嘩とか、トラブルとか、そういうのを重ねて友情を深めていくものなんでしょ? 第一、結果的に取り返しのつかないことなんか、綾上君は何もしてない。 だから…」 「でも、僕は、会長と保坂先輩を別れさせようとした。 最悪だ。 許してくれなくていいんです。 突き放して下さい、ただ…」 「………だから言ってんじゃん。 僕は綾上君を憎んでなんかない。 そりゃあ、七瀬先輩には、…まだ、上手く接しられないかも、しれないけど…… 嫌ってなんか、 憎んでなんか、いないから!」 クラスのみんなに聞こえない程度の声で、真っ直ぐ顔を見て答える。
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