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「僕はね、
確かに沢山傷ついた。
綾上君や、何より七瀬先輩の行動は、僕にとっては達也との関係を沢山傷つける、最悪のものだった。
死ぬかもしれなかったとか考えると、
やっぱり、恐ろしくて堪らなくなる。
……けどね、
不思議となぜか、
そのことで、綾上君を責めたり、嫌がったり、恐れようだなんて思ったりはしないんだ。
知り合って、そんなに経つわけじゃ、ないけどさ。
僕にとって綾上君は、数少ない普通に話せる友達。
よくわかんないけど、
友達ってのは喧嘩とか、トラブルとか、そういうのを重ねて友情を深めていくものなんでしょ?
第一、結果的に取り返しのつかないことなんか、綾上君は何もしてない。
だから…」
「でも、僕は、会長と保坂先輩を別れさせようとした。
最悪だ。
許してくれなくていいんです。
突き放して下さい、ただ…」
「………だから言ってんじゃん。
僕は綾上君を憎んでなんかない。
そりゃあ、七瀬先輩には、…まだ、上手く接しられないかも、しれないけど……
嫌ってなんか、
憎んでなんか、いないから!」
クラスのみんなに聞こえない程度の声で、真っ直ぐ顔を見て答える。
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