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玲旺と言い争い、屋上から空間移動した瞬間、聖世は巨大な力を持つティタンの『気』が動いたのを感じた。
聖世はひとまず落ち着ける場所を探し、中央校舎からは死角になっていて見えないようになっている南校舎の壁に寄りかかり、感覚を研ぎ澄ました。
集中力を高める事により、その『気』の発生源を探すのだ。
その『気』はまるで聖世に自分の存在をアピールするかのようにゆっくりと西棟の校舎の方へと移動していた。
そのタイミングは、まるで聖世が玲旺から離れるのを待っていたようにさえ感じられる。
西校舎は中央校舎や南校舎と比べると古い建物だ。
学校創設時に建てられた建物らしく、一階と二階に三年の教室があり、三階には進路相談室がある。
他には使われなくなった教室がいくつかあるが、一年の聖世は滅多に足を運ぶ事のない空間だった。
「西校舎?」
ティタンは三年の学生に同化していたという事なのだろうか?
考える間もなく、聖世は西校舎に向かって走り出していた。
幸い、授業が始まっているので聖世のような一年生が西校舎に入り込んでも見咎める人間はいない。
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