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「おい、起きろよっ」
というちょっと乱暴な声がきこえて、わたしは目を覚ましました。
最初に思ったのは『寒い』ということでした。真っ暗な部屋に、どこかから風が吹き込んできています。
わたしは、ベッドから出て部屋の電気をつけました。
わたしは驚いて声も出せませんでした。
わたしの部屋のドアが開いていて、その向こうにあるリビングの窓が全開になっています。
「ったく、とろくさいな」
そして、わたしの部屋に、知らない男の子が立っています。
赤いぶかぶかの服を着て、赤いとんがり帽子を被っていて、えらそうに腕を組んでいました。
みょうに青白い顔の中、目だけがらんらんと金色に光っています。
「……だれ?」
「誰って、見りゃ分かるだろ! サンタクロースだよ」
「………あたま、大丈夫?」
「うっわ、見かけによらず失礼な女だな!」
わたしが思わず考えたとおりのことを呟くと、男の子は眉を吊り上げてにやりと笑いました。
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