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「う……ぁ…………」
ステラは足に力が入らなくなり、その場で崩れ落ちる。
アイナとカタリナもまた、体を小刻みに震わせている。
最もゼロの近くにいたカレルは、ただただ呆然とゼロを見上げていた。
「これでもう、お前たちは必要ない」
淡々と告げるゼロの言葉。
あまりに突然すぎる事態に、皆が皆現実を見ることを拒む。
しかし、そんな中、ただ1人ゼロに殴りかかる影があった。
「ふざけるな!」
その言葉と同時に放たれた拳を、ゼロはかわすことなく頬で受け、冷めた目で尋ねる。
「気は済んだか、アレス」
その言葉に、アレスの頭はさらに熱くなる。
「ふざけるなって言ってんだよ!
黎明の方程式を発動させられないなんて勝手に決めつけて!
勝手に自分1人で解決するって決めて!
それでシュリを受け入れるって何んだよ!?
何考えてんだよ!?」
アレスは胸倉を掴みながらゼロに問いかけた瞬間、ゼロはアレスを蹴り飛ばして答えた。
「黎明の方程式は、俺の目的を果たす手段の1つだった。
だが、お前たちに出来ないのであれば、発動させる気はない。
だから俺は、リザが望んだ世界を作るために、この世界を壊す。
そして作り直す。
そのために、俺は黄昏の方程式を完成させ、『終焉をもたらす者』になる」
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