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「……そのために、黄昏の方程式を集めようとしてたっての?
そのために、アマリエを殺して、クレイドと戦おうとしてたっての!?」
カタリナの問いに、ゼロは小さく笑う。
「違う。が、説明してやる気はない。お前たちにはもう、知る必要のないことだからな。
なに、これまでのこと、俺のことは忘れればいいだけのことだ。
それがお前たちのためであり、俺のためでもある」
そう言って、ゼロは5人に背を向ける。
しかし、そんなゼロに、ステラが手を伸ばす。
「ゼロ先輩のことを忘れるなんて出来ません!
ゼロ先輩がいなくなるなんて嫌です!
わたしは……わたしはゼロ先輩が好きだから、ずっと一緒にいたいです!」
ステラは泣き叫びながら懇願する。
ゼロはその様子を黙って見つめ、そしてステラに手を伸ばす。
その行動に、ステラは涙を流したまま安堵の表情を浮かべ、手を伸ばす。
しかし
「我が身にやどりし血を刻む風、そが真たる姿を今こそ示せ。【アスラ】」
ゼロが伸ばした手に、真紅の刃を持つ魔道具が生まれ、ゼロはアスラをステラに突き付けた。
「シュリが俺の中で叫んでいる。
『時詠みの巫女を殺せ』とな」
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