聖なる夜の真実

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そして、ゼロは5人を見つめて告げる。 「シュリを受け入れたばかりで、俺はまだその全てを扱うことは出来ない。 ゲイツの力もある分、己の力に還元するにはまだまだ時間がかかるだろう。 それでも、クレイドと戦い、勝つめどはついた。 だからもうお前たちは必要ない。 そして、邪魔をすると言うのなら、容赦はしない」 そう言って、ゼロはゆっくりと5人に向かって歩き出す。 カレルはアレスたちを庇うように立ちはだかるが、先程の攻撃を受けた際の衝撃で、バグラムを持つ手が痺れで震えていた。 それを見遣り、ゼロを現実を突き付ける。 「お前の力では、冥王には勝てん。それでもやると言うのなら、俺がこの手でリザの所に送ってやろう」 ゼロの言葉に、カレルは顔をしかめる。 現状、ゼロを退ける術が思い当たらないから。 それでも、その心の内を隠すように、カレルは銃口をゼロに向けた。 その時、カレルとゼロの間に、ステラが割って入った。 そして、涙を流しながら両手を広げて言った。 「……もうやめてください。これ以上、みんなを傷付けないで……」
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