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朝日が窓から差し込む病室。
ベッドに横たわっているのは、一命はとりとめたものの、未だ意識が戻っていないアレス。
ステラは涙を堪えてその手を握っていた。
「ごめんね、アレス……。わたしのせいで……」
「ステラさんのせいではありませんよ」
アイナが優しく声をかけ、ステラの背中をそっと撫でる。
カレルはその様子を窓に腰掛けながら見つめていた。
そんなカレルに、服のあちこちに血がついたままのカタリナが尋ねる。
「カレル先輩、これからどうするつもり?」
カレルが視線をカタリナに向けると、カタリナはアレスの方を見て言った。
「ゼロ先輩が……あいつが言ってたこと、多分全部本当だよ。
黎明の方程式のことを全部知ってて、それをわたしたちに隠してた。
ステラを殺そうとしたのも、間違いなく本気だった。
アレスがこんな状況になってるのも、全部あいつのせい。
裏切られたんだよ、わたしたち」
そう言って、カタリナは真っすぐカレルを見据える。
「追いかけるの?
それとも、追いかけないの?
追いかけるとしたら、何のために追いかけるの?」
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